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歓声が響き続けるライブハウスでありたい
日常はいつも、静寂から始まる。
夕方、重い防音扉を開けると、そこにあるのはひんやりとした空気と、微かに残る昨夜の汗とドリンクの匂い。まだ誰もいないフロアは、驚くほど静かだ。 けれど、この静寂こそが、今夜始まるドラマのプロローグでもある。


ライブハウスの1日は、地道な準備の積み重ねだ。 スピーカーの位置を微調整し、マイクのノリを確かめる。アーティストが最高のパフォーマンスを発揮できるように、音と光の職人たちがフロアを「戦場」へと仕上げていく。

開場時間が近づくと、楽屋の空気は一変する。 それまで笑顔で雑談していたアーティストたちの目が、徐々に「表現者」のそれに変わっていく。チューニングを繰り返す音、喉を鳴らす声、何度も確認するセトリの紙。

開場のアナウンスとともに、待ってましたとばかりにお客さんが流れ込んでくる。 学校帰りの制服、仕事終わりのスーツ、お気に入りのバンドTシャツを着た人。みんな、それぞれの「日常」を背負ってここにやってくる。 けれど、一歩フロアに足を踏み入れれば関係ない。ドリンクを片手にBGMに耳を傾ける彼らの顔には、これから始まる「非日常」への期待が満ち溢れている。
